富士山の構成資産をわかりやすく解説!世界遺産に選ばれた理由

この記事では、富士山とともに世界遺産に登録された構成資産や、登録理由についてまとめ
ています。

• 富士山と一緒に世界遺産に登録された資産があるとは知らなかった!
• そもそもどうして富士山は世界遺産に登録されたの?
• 富士山の歴史について知りたい!

このような疑問に答えていきます。

富士山は歴史的にも、活発な火山活動によって噴火を繰り返しており、古くから恐ろしくも神秘的な山として敬い、拝む対象となっていました。

2013年に世界遺産に登録されたことをきっかけに、国内のみならず海外からも多くの観光客が訪れ、今では日本の代名詞のような存在になっています。

しかし、そんな富士山の知名度とは対照的に一緒に登録された構成資産については知らないと答える人も少なくありません。

そこで今回は、「富士山の構成資産をわかりやすく解説!世界遺産に選ばれた理由も!」と題しご紹介していきます。

それではスタート!

富士山の構成資産をわかりやすく解説!世界遺産に選ばれた理由

世界遺産には、富士山域を中心に25の構成資産が登録されています。その中から今回は6つをPICK UPしてご紹介していきます。

人穴富士講遺跡(ひとあなふじこういせき)

13世紀にはすでに「浅間大神の御在所」とされており、『吾妻鏡(あずまかがみ)』には鎌倉幕府2代将軍源頼家の命で洞内を探索した武士の霊的体験に関する記述もあり、当時人穴が富士山信仰に関係する場所であったことがうかがえます。

※富士講とは、富士山岳信仰の基盤となる組織のこと

富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)

806年に富士山の噴火を鎮めるよう平城(へいぜい)天皇が坂上田村麻呂に命じ、浅間大神(木花之佐久夜毘売命/このはなのさくやひめのみこと)を祀る神社として創建されました。

国内各地に存在する浅間神社の総本宮で、現在も東日本を中心に広く信仰されています。

社伝では806年に、富士山により近い遥拝所の山宮浅間神社(やまみやせんげんじんじゃ)から分祀したとされ、古くから富士山南麓における中心的な神社でした。

富士山山頂は、徳川幕府に認められ奥宮として飛び地の境内地になっています。

山宮浅間神社(やまみやせんげんじんじゃ)

富士山本宮浅間大社の前身とされる神社です。境内には本殿がなく、富士山を仰ぎ見る方向に軸を合わせた位置に祭壇や右列の区画からなる遥拝所があります。

独特の境内の地割は、富士山に対する「遥拝」を主軸としていた、古来の祭祀の形式を示しています。

北口本宮冨士浅間神社(きたぐちほんぐうふじせんげんじんじゃ)

富士山の遥拝所に祀られていた浅間大神を起源とし、1480年に「富士山」の鳥居が建立され、16世紀中頃に社殿が整えられました。

一間社入母屋造りで檜皮葺の本殿に唐破風付向拝をつけた形式になっています。

社殿の背後に登山門があり、この神社を起点として富士山頂まで吉田口登山道が続いています。

ちなみに、吉田口の由来は江戸時代まで、吉田の御師が宮司や禰宜(ねぎ)を務めていたからだそうです。

吉田口登山道(よしだぐちとざんどう)

北麓の北口本宮冨士浅間神社から富士山頂の東部にいたる登山道です。

二合目は、12世紀後半の紀年銘を持つ神像が奉納されていた場所とされ、遅くとも13世紀から14世紀には修験道の拠点が形成されていました。

18世紀以降は「富士講」における登山本道とされました。

御師住宅(おしじゅうたく)

巡礼者の宿泊や食事の手配、巡礼路の案内を行った御師の住宅です。

北口本宮冨士浅間神社の門前にこうした御師住宅が立ち並ぶ集落が形成されました。世界遺産には、小佐野家住宅と旧外川家住宅の2つが登録されています。

どれも歴史があって興味深いですね。他にも多くの構成資産があるので機になる人はチェックしてみてください!

富士山が世界遺産に選ばれた理由

富士山が世界遺産に選ばれた理由は2つです。順番にご説明していきます。

理由①信仰の源となっている

富士山の周辺地域では、古くから富士山を「神仏の居処」とする山岳信仰に基づき、火山との共生とともに山麓の湧水などにも感謝するという独自の伝統が育まれてきました。

その伝統は、時代を超えて富士登山や巡礼の形式などの中に受け継がれています。

富士山とその信仰から生み出された多様な文化資産は、今なお生きる山岳信仰や文化的伝統を伝える、類のない例として評価されました。

これは、世界遺産登録基準の(ⅲ)文化的伝統や文明の存在に関する証拠を示す遺産に該当しています。

理由②日本を代表するモチーフである

富士山は、日本の最高峰であるとともに、円錐形をなす独立成層火山としての荘厳な姿から、日本固有の詩歌や文学作品にも描かれるなど、古くから様々な芸術活動の母体となってきました。

19世紀には浮世絵に描かれた富士山の姿が近現代の西洋美術のモチーフとなり、西洋の数多くの芸術作品に影響を及ぼすとともに、日本や日本文化を象徴する記号として広く海外にも定着しました。

これは、世界遺産登録基準の(ⅵ)人類の歴史上の出来事や伝統、宗教、芸術などと強く結びつく遺産に該当しています。

富士山が世界遺産に選ばれたことは、日本人としてごく自然なことのようにも思えますよね。
それほど、私たち日本人にとっては富士山が無意識的にだとしても大きな存在なのでしょう。

まとめ

以上「富士山の構成資産をわかりやすく解説!世界遺産に選ばれた理由も!」と題しご紹介してきました。

改めて富士山の偉大さを知るとともに、構成資産群についても少し勉強になったのではないでしょうか。

今回ご紹介できなかった構成資産にも、それぞれ多くの魅力があるので気になる人は調べてみてください!

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